真の人的資本経営 » 人的資本経営コラム|人的資本経営に向けた具体的な取り組み方  » 人的資本経営時代に取り組むべき人材の採用・育成とは?
更新日: 2023/08/23

人的資本経営時代に取り組むべき人材の採用・育成とは?

今後の人材採用では、人的資本経営が欠かせません。自社の価値観に合った人材の確保、長く定着した成果を得るにはどうしたらいいのか。企業が取り組む姿勢についてご紹介しています。

INDEX

これからは育成・活躍・定着まで見据えた人材採用を

採用を増やしても、人が定着しなければ意味がありません。採用だけでなく、入社後の育成・活躍・定着も視野に入れた、バランスのよい人事戦略を構築する必要があります。

「人材の採用」を強化するには?

採用の強化では、まずは求める人材像を明確化し、自社の価値観に合う人材を採用するための採用戦略・採用手法を再定義します。

「自社の価値観」にあう人材の採用を検討

求める人物像に関しては、経験や能力、人柄と、企業が重視する項目は異なります。ポテンシャルから採用するケースもみられますが、いずれにしても自社の価値観や考え方に合う人材かどうかは欠かせません。全く違う考えの人では、いくら能力が高くても価値観の違いから、会社が期待するやり方や成果を出すのは難しくなります。

真の人的資本経営
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人材戦略とセットで考えたい
企業によって異なる、真の人的資本経営とは?

どのような人材が自社にとって、ハイパフォーマー(高い成果や業績を上げる)人材といえるのかを明確に言語化し、ハイパフォーマー人材がより活躍できる環境の整備、新たなハイパフォーマー人材の育成・採用を行うことが重要です。当メディアでは、真の人的資本経営を実践していく3ステップを解説します。

企業によって異なる真の人的資本経営の
実践方法を見る

採用手法の見直し

採用手法については、面接方法の見直しやSNS採用、従業員の友人・知人を紹介してもらうリファラル採用などの仕組みを構築します。また、情報発信や採用コミュニケーションなどを通じて、応募者に入社後の自分のイメージを持ってもらうことも大事です。

「人材の育成方法」の見直し

マネージャー育成方法を見直す

社員の育成・研修手法では、社内研修やOJT、外部研修など、リアルコミュニケーションの中で学ぶ体制が多くとられています。近年では、OJT・階層別研修などが注目されていることからも、マネージャーの育成も急がれています。マネージャー育成では、通常の座学だけでなく、他部署や支社でマネージャー業務を経験させる方法もとられており、様々なタイプの部下の育成やチームマネジメント経験を積むことができます。

動的な人材ポートフォリオを育成に活かす

事業活動に必要な人材をタイプ別に分類し、それにぴったりな人材を配置。過不足について分析します。環境や経営戦略の変化などがあれば最適化し、社員育成に役立てていきます。

ダイバーシティ&インクルージョン研修を行う

性別や年齢、国籍、経歴や働き方など多様性(グローバルシティ)を認め合い、その違いを活かすことで新しい価値を生み出していく取り組みは、重要な経営戦略の一つです。様々な多様性に焦点を当て、マネジメント・人事・一般社員と全員が参加しておこないます。

従業員エンゲージメントを高める

自社の理念や目標、進むべき方向性を従業員全員と共有。貢献意識を持つことで、エンゲージメントの向上が期待できます。

「人材の活躍」の方法

評価基準の明確化・公平化

曖昧で不公平な評価は、従業員のモチベーションを下げてしまいます。評価基準を明確にし公平化するためには、会社が一方的に決めるのではなく、従業員全員とのヒアリングを通じて、評価基準への不満についても聞き取り、双方が納得する形に作っていくのがいいでしょう。

ジョブ型人事制度の導入

近年では、職務の定義・評価・報酬を明確にし、それに最適な人材の育成を配置するジョブ型人事制度の導入が増えています。報酬と評価を結びつけることで、納得して取り組んでもらいやすくなりますし、必要なスキルを明確にすれば、自発的に学ぶなど成長を促せます。

「人材の定着」強化の方法

人事や評価制度は定期的にブラッシュアップすることで、不当な評価や不公平な評価をなくすことができます。また、評価だけでなく、働きやすい環境作りも欠かせません。

多様な働き方の選択肢を用意する・ワークライフバランスの導入

出産や子育てによる育児休業や時短勤務、フレックスタイム制、リモートワーク、有給休暇など、ライフスタイルの変化に合わせた働き方がいくつも用意されていると、長く働きやすくなります。一つの働き方にはめずに、柔軟な働き方を提供することが大切です。

社内コミュニケーションが充実する仕組み作り

在籍する部署はもちろんですが、部署外でのコミュニケーションもエンゲージメントを向上させます。お互いにサポートしあえる、信頼できる上司や先輩がいる職場は居心地がよく、定着率を高めます。

まとめ

企業の持続的な成長には、人的資本経営へのシフトが必要です。また、採用と育成は別々に考えるのではなく、採用・育成・活躍・定着と一つの流れとして捉えて取り組むことも大事。自社が必要とする人材を明確にし、価値観の合う人材の獲得のための採用・育成戦略を構築しましょう。